第四章 C後前編 ”合わない歯車” からの抜粋
お話の中に埋もれてしまっていて、題名からはこんな内容とわから
ないので、抜き出しました。処女膜というのは、
実は秘密の通路の奥に薄紙のように張られているものではなく、
牛乳の表面に張るしっとりした膜のようでもなく、
その正体は、襞(ひだ)の一種で、かなり入口の近くにあり、
もともとは、膣が子どもを産むための大切な器官への入口なので、
中に細菌が入らないように膜の役割をするためにあるものなのだが、
最初からもう穴が開いているそうだ。
(でなければ生理の出血も通れないだろう)
処女の段階ではその穴が小さいというだけで、
膜には弾力性があり、よく伸び縮みするため、
滑りをよくして優しく挿入してあげれば(え?何を?)傷つける心配も
なく、従って出血することも少ないという。
実際、初夜に出血しない例はかなりあり (40%という説も)、
お互いに無知なために、あらぬ疑いをかけたりかけられたりして悩む
ケースも少なくないという。
(そうだよね、そんなこと人に聞けないし)
その上こんな事実も。
実は出血する場合というのは、”へたな男の場合” が多いらしい。
女の方の準備がまだできていなくてまだ十分潤っていないのに、
男の方が無理やり押し入るので、局部やその周辺が裂傷を起こして
しまう。
出血はそのために起こる。
つまり、じょうずだったら出血しないで済ませられるのだ。
処女崇拝については、中世だかにイギリスで性病が流行ったため、
「結婚するなら処女がよい」 とされた事情があるという。
処女なら安全だからだ。
ヨーロッパの作曲家たちが長いウエーブのかかったかつらをみんなつ
けているけど、あれだって梅毒が流行って頭が剥げてしまったからだ
と聞く。
そんな理由で処女性が貴重とされるのでは、たまらないね。
また、同じくイギリスでは、ひと昔前に、初夜が明けると血で染まった
シーツを公の前にかざして無事貫通を祝ったと言われているが、
ほとんどの場合、それは、ひねったにわとりの血や、ワインをこぼした
ものだったという。
実際は出血なんかしていなくても。
こんなことがあるから、みんな幻想を持ってしまうんだ。
近年のイギリスではこんなこともあった。
1970年代に、インドや中近東から押し寄せる移民の数を規制するた
めに水際で、それらの国々からの移住希望の独身女性に”処女検査”
というのをやった。
移民した人の家族は本人が呼び寄せることができ、同じように移民で
きたのだが、”婚約者” はどうだ?
微妙なところだ。
誰でも、たとえその人と婚約していなくても、移民した人の婚約者と
偽ってイギリスに入国し、イギリス人になれるということになる。
そういう女性が絶えなかったので、戒律の厳しいお国柄からして、
”婚約者なら処女のはず” と、入国前に医師に処女膜検査というのを
受けさせたのだ。
それは人権侵害ということですぐに廃止になったが。
そのことからもわかるように、処女膜というのは入口の近くにあり、
簡単に検査もできるものらしい。
だから、処女膜が奥にあるとか、貫通すれば出血するとかの妄想を
抱いている男性たちは、考えを改めた方がいい。
女性も、こんな間違った思い込みに振り回されないように。
この小説の主人公あやめもそうだが。
大切なのは、そんな目に見える印ではなく、愛情ではないのか?
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