第二章Bまで:5話 読むのにかかる時間:7分くらい
祐と次に会う時、どんな態度を取ったらよいのか、あれから考え込み
がちのあやめだったが、もうすぐ冬休みというそんなある日。
学校に着くとすぐに誰かに呼び止められた。
亜紀だ。
ふだんと全然変わらない。
あんなことがあったのに。
「あやめ、休みに入ったら時間を取ってほしいんだけど…。
この間のお礼を、みんなに言いたいんだ。
ファミレスに集まって。
たいしたごちそうはできないけど…。
みんなに話を聞いてもらうのがメインだからさ。」
あやめも、相手の人とはその後どうなったのかとか、
亜紀の体のことも心配だったし、
一度、ゆっくり聞きたいと思っていたところだった。
約束の日、亜紀と沙織とあやめ他数人が、学校の近くのファミレス
に集まった。
「みんな、今回のことはほんとにありがとね。」
やっぱり学校で会う亜紀と同じだ。
落ち込んでいる様子はない。
「私ね、今回のことでいいこともあったの。
付き合ってた男たちのひとりがね、ほんとに私のこと心配してくれた。
私にとったら、それはほんとの愛を見つけたってことなんよ。
だから、悪いことばっかしじゃなかった。
このメンバーだから、ほんとのこと話すね。
私ね、出会い系サイトで何人かの男の人と知り合って、くれる人から
はお小遣いももらって、援助交際していたの。
結局みんな、洋服と化粧品代に消えちゃったけどね。
ああいうのって結局、女とアレしたい人ばっかなんよ。
最初からそれ目当てで、その話から始まるってことがほとんどだし。
そうでない人も、遅かれ早かれ本性を出してそこに行き着く。
私ね、おもしろかったの。
男の人たちってね、私に会うまでは、あの手この手でおだてて甘い
言葉や屁理屈を並べちゃってさ。
それがそのうち、本性丸出しになってくるの。
そこで声出してひとりでやってみろだの、ヤラせろだのって。
身分も職業も明かさないから、もう、怖いものなしって感じ…
どうやって実際に会ってセックスするまでにもっていこうかって、あと
はその交渉にやっきになるだけ。」
うぶな高校一年生たちは、あっけに取られて亜紀の話に聞き入った。
「みんな、私を軽蔑する?
私がどうしてこんなことをすると思う?
私ね、両親のその場面を小さい時に見ちゃったんよ。
… 夜中に悲鳴と呻き声のようなもんを聞いて、目、覚ましたら、お父
さんとお母さんが裸でくっついて暴れていたの。
それが、口に出すのも恥ずかしい、すっごいいやらしい格好で…
私、お母さんはお父さんに殺されてしまうのかと思って、
「お父さん、やめてーっ!!」って、泣き叫んだ。
『夢を見たんだ』 とか言われてその場はなんとなくごまかされちゃっ
たけど。
次の朝、改めて、“ふたりで何をしていたの?” って聞いたら、
言うに事欠いて 『プロレスごっこ』 だって。(笑)
大きくなってからそれが何だったのかわかったけど、
あの場面が忘れられなくって。
人間じゃないよ。 まるで盛りのついた獣だよ。
だってさぁ、私の両親、両方とも教師だよ!
しつけも厳しかった… 『お行儀よくしなさい』 とか…
人間は表と裏でこんなに違うのかって、幼心にびっくりした。
そんで私はよけいに、セックスってもんに興味を持っちゃったんだ。
”どんなもんなんだろう、早く知りたい” って。
自分たちもやってるほどいいもんなんだから、たぶん、親も公認だろ
うし。 ね!」
「ひえーっ(゚Д゚;) 刺激的!」と、沙織。
「ふだんは最もらしい顔で立派なことばっかし言ってた親だからね、
大きくなったら見せ付けてやろうと思ってた。
『私も、あんたたちが大好きな、いいことしてるよ』 って。」
テーマ : 恋愛:エロス:官能小説 - ジャンル : 小説・文学