純情少女とエロ女 第二章Bまで

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SNOW CLYSTAL

Author:SNOW CLYSTAL
著者:スノー クリスタル

ずっと書きたいと思っていた
テーマに取り組んでみました。
男って… 女って…
やっぱ、奥が深くて解明でき
ないなぁ…

特に主人公が16〜20才まで
という設定なので、
大人の男女の愛まで掘り下
げるところまでは行かなかっ
たかもしれないけどね、
そんでも体当たりしてみたゾ。

まわりに振り回されながら
変化していく少女の心と体に
ピッタリ寄り添って、読み進
んでね。

ついでにいっしょに恋をしな
がら…。
   


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    第二章Bまで:5話 読むのにかかる時間:7分くらい


    祐と次に会う時、どんな態度を取ったらよいのか、あれから考え込み
    がちのあやめだったが、もうすぐ冬休みというそんなある日。

    学校に着くとすぐに誰かに呼び止められた。
    亜紀だ。
    ふだんと全然変わらない。
    あんなことがあったのに。

    「あやめ、休みに入ったら時間を取ってほしいんだけど…。
    この間のお礼を、みんなに言いたいんだ。
    ファミレスに集まって。

    たいしたごちそうはできないけど…。
    みんなに話を聞いてもらうのがメインだからさ。」

    あやめも、相手の人とはその後どうなったのかとか、
    亜紀の体のことも心配だったし、
    一度、ゆっくり聞きたいと思っていたところだった。


    約束の日、亜紀と沙織とあやめ他数人が、学校の近くのファミレス
    に集まった。

    「みんな、今回のことはほんとにありがとね。」

    やっぱり学校で会う亜紀と同じだ。
    落ち込んでいる様子はない。

    「私ね、今回のことでいいこともあったの。
    付き合ってた男たちのひとりがね、ほんとに私のこと心配してくれた。
    私にとったら、それはほんとの愛を見つけたってことなんよ。
    だから、悪いことばっかしじゃなかった。

    このメンバーだから、ほんとのこと話すね。

    私ね、出会い系サイトで何人かの男の人と知り合って、くれる人から
    はお小遣いももらって、援助交際していたの。
    結局みんな、洋服と化粧品代に消えちゃったけどね。

    ああいうのって結局、女とアレしたい人ばっかなんよ。
    最初からそれ目当てで、その話から始まるってことがほとんどだし。
    そうでない人も、遅かれ早かれ本性を出してそこに行き着く。

    私ね、おもしろかったの。
    男の人たちってね、私に会うまでは、あの手この手でおだてて甘い
    言葉や屁理屈を並べちゃってさ。

    それがそのうち、本性丸出しになってくるの。
    そこで声出してひとりでやってみろだの、ヤラせろだのって。

    身分も職業も明かさないから、もう、怖いものなしって感じ…
    どうやって実際に会ってセックスするまでにもっていこうかって、あと
    はその交渉にやっきになるだけ。」


    うぶな高校一年生たちは、あっけに取られて亜紀の話に聞き入った。

    「みんな、私を軽蔑する?
    私がどうしてこんなことをすると思う?

    私ね、両親のその場面を小さい時に見ちゃったんよ。

    … 夜中に悲鳴と呻き声のようなもんを聞いて、目、覚ましたら、お父
    さんとお母さんが裸でくっついて暴れていたの。
    それが、口に出すのも恥ずかしい、すっごいいやらしい格好で…

    私、お母さんはお父さんに殺されてしまうのかと思って、
    「お父さん、やめてーっ!!」って、泣き叫んだ。

    『夢を見たんだ』 とか言われてその場はなんとなくごまかされちゃっ
    たけど。

    次の朝、改めて、“ふたりで何をしていたの?” って聞いたら、
    言うに事欠いて 『プロレスごっこ』 だって。(笑)

    大きくなってからそれが何だったのかわかったけど、
    あの場面が忘れられなくって。
    人間じゃないよ。 まるで盛りのついた獣だよ。

    だってさぁ、私の両親、両方とも教師だよ!
    しつけも厳しかった… 『お行儀よくしなさい』 とか…

    人間は表と裏でこんなに違うのかって、幼心にびっくりした。

    そんで私はよけいに、セックスってもんに興味を持っちゃったんだ。
    ”どんなもんなんだろう、早く知りたい” って。

    自分たちもやってるほどいいもんなんだから、たぶん、親も公認だろ
    うし。 ね!」

    「ひえーっ(゚Д゚;) 刺激的!」と、沙織。

    「ふだんは最もらしい顔で立派なことばっかし言ってた親だからね、
    大きくなったら見せ付けてやろうと思ってた。

    『私も、あんたたちが大好きな、いいことしてるよ』 って。」





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    「でもね、親は親でしょう。
    それに結婚してればセックスは悪いことじゃないんだし。
    自分を大事にしなくちゃ。」

    と、生徒会副会長らしく、久美子。

    「大事にするってことがどういうことか、っていうことよ。
    セックスしたくて大事にするのか、セックスなんて関係なしでも大事に
    してくれるのか、だよ。

    セックスするまでは、男はみんな女の子を大事にするふりをするんだ。
    だけど、やる時もやったあとも、本性丸出し。

    みんなも気をつけな。
    男はみんなそうだから。」

    あやめは、その話、どこかで聞いたことあるなー、と思った。
    もちろん覚えている。
    母親から聞いた言葉だ。

    「でもね、私は救われたの。
    妊娠したって知らせたら、男たちはみーんな知らん顔をしたよ。
    だけどね、ひとりだけ、

    『誰の子かわからなくてもいいから産め。
    堕ろすのは母体を傷つけるから。

    おまえにそんな辛い思いはさせたくない。
    結婚してもいい。』

    って言ってくれた奴がいたんだ。
    私、その時、本当の愛を見つけたって思った。

    その人、本当に私のことを心配して大事に思ってくれているんだっ
    て思うよ。
    セックス目当ての下心がどうのってことはもう問題外だったから、
    わかったことだよ。

    結局、私は手術を受ける道を選んだけど、
    このことがあったおかげでいいこともあったんだ。」

    亜紀の結論は何だか別の方向へ行ってしまっているような気がした
    が、あやめは安心した。

    −よかったね、そういう人がいてくれて。

    亜紀は亜紀なりに、もう大丈夫だ。
    その人を悲しませるようなことは、きっともうしないだろう。


    そこで亜紀がおまけに話したことがまた、強烈的だった。

    「みんな、セックスってね、すっごーくいいもんだよ。
    “この世にこんな楽しみがあったとは!”って感じ。

    もう、一度、味を覚えちゃったら、他のことはどうでもよくなっちゃうよ。
    一日中でもやっていたくなる。
    それが、“お互いに” だからね。

    だから愛し合う男女はいっしょにいたいんだよ。
    だっていっしょにいれば、いつでもやりたい時にできるじゃん。
    お金も場所も気にしないで、やりたい放題できるんだもん、
    あんないいことが。

    セックスなしじゃ、男と女がいっしょにいてもつまんないよ。
    何の話しておもしろいわけ?

    愛し合う男女に言葉は要らないよ。
    いっしょにいて、触れて、お互いを確かめ合う。
    それ以上、何が要るの?
    あとのものはみんなおまけよ。

    男と女は結局、セックスがしたいために求め合うんだって私は思うよ。
    情なんて、あとからだって湧いてくる。

    そうやって湧いてきた情は、本物だよ。
    だって、最低の状態から生まれた情だもの。」

    −何だか、母さんが言ってたことと違うなあ…

    「そんなにいいもんなの?
    私、彼氏とそうなるの、楽しみー!!」

    と、おきゃんの玲奈。

    「でも、妊娠には気をつけなきゃね。
    避妊具を使っても完全じゃないから。」

    「え?それ、どういうこと?」

    そんなやりとりが続く。


    亜紀はそれから、おぞましい手術の様子を話した。

    偽りの保護者を仕立てて病院へ行ったそうだが、
    天国と地獄ってこういうことなのかと、あやめは背筋が寒くなった。
    16才の女の子にとっては残酷な体験だっただろう。

    そんなわけで、みんな亜紀の今回のできごとについては、一応
    ほっとしたり、同情したりだったが、

    まさかこの亜紀が、3年後のあやめの人生に現れ、あやめのその後
    の人生を大きく狂わせることになるとは、

    この時点のあやめには想像もできないことだった。




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    冬休みになった。

    あやめの予定は、週1回のボランティア活動と日曜日の礼拝出席と
    年末のお掃除くらい。
    名前ばかりだが、副会長の久美子といっしょに生徒会の役員(書記)
    もやっているので、
    家族向け “出かける口実” は比較的楽に作れる。

    祐とはあれっきりなので、あやめは週末に”テイクファイブ” へ出向い
    てみようと思っていた。
    祐がいなくてもそこにいる人たちの会話の中に祐に関する話題が何
    か出てくるかもしれないから。

    あやめは祐の中で自分がどんな存在になっているのか、知りたかった。
    祐の外で、でも… かナ。
    そう、つまり、みんなには自分のこと何て言っているのか。

    −この間のキスのこと、怒ってるのかな。
      それとも笑っていたりして… ?
      私にとっては深刻な問題なのに。

    家族からは、”高校生らしくない場所や、不良が集まりそうな風紀の
    悪い場所 には出入りしないように” と言われていたが、

    ”テイクファイブ” に行けば、

    大人の男性(マスター)とちょっと大人の会話ができ、
    自分の知りたかったこと(祐の情報)がわかり、
    会いたい人(祐)に会え、
    原始の体内リズムを呼び覚まされそうな音楽(ジャズ)
    に包まれて、ひととき、豊かな時間が過ごせた。


    そして週末。
    複雑な思いを胸に テイクファイブ に向かう。

    店に着くと、いつものように
    渋いダンディー系でいて暖かいマスターが、笑顔で迎えてくれた。

    今日かかっているのは、レイ・チャールズの曲。
    あやめは彼の声とピアノと、そして人生に惹かれている。
    初めてここに来た時マスターの話を聞いていてから、
    彼の伝記を読んだ。
    その後聞いたビリーホリディーの “奇妙な果実” は、同じ名前の本
    が出ているというので、今度はマスターのお勧め通り、
    英語の原書に挑戦したいと思っている。

    マスターは、カウンターに座るあやめの表情を覗き込むと、
    一瞬、じっと視線を止め、
    さっと逸らして遠く窓の外へ投げてから、

    「あやめちゃん、祐は今日は来ないと思うよ。
    もう受験も近いからって、おふくろさんにヤキを入れられたらしくて。

    冬休みは模擬試験とか特別講習とかで、予定がギッシリだって言っ
    てたよ。」

    「そうですか。ありがとうございます。
    いいんです。」

    −その情報がわかってよかっただけでも、
      来てよかった…

    そうあやめは思う。
    −祐さん、何も言ってくれないから…

    ところがあやめの祈りが通じたのか、なんとそこへ祐がヒョッコリ現れ
    たのだ。

    「おう。ちょうど良かったね、あやめちゃん!
    来た甲斐があった!」

    “大人の魅力” が売り物のはずのマスターの顔が、
    幼児のようにあっけなくほころんだ。

    あやめが椅子の上で跳び上がるほど驚いて狼狽する姿を見て、
    マスターは何がしか悟ったようだ。
    “やっぱりなー (…こりゃ、何かあったな…)” という顔をして、
    苦笑いしている。

    祐はあやめの予測に反し、この間の、あやめにとったら大事件
    (ほぼ唇強奪)のことなどどこ吹く風。
    いつも通りの爽やかでおおらかな青年のままでいる。

    −本当に太陽のような人…

    あやめは祐に、ワルだとか陰湿さとかよりも、
    サンサンと降り注ぐ明るい陽の光を感じてしまうのだった。

    ところで、祐は獅子座の18才。
    あやめは牡牛座の16才。
    星座占いを信じる、信じないは別として、
    それらの星座の特長は、ふたりの性格を象徴しているようだ。

    とある占い誌によると…

    獅子座は単純明快でわかりやすく、
    まわりを照らす太陽のような人。
    獅子のように男らしく(?女はどーなの?)、
    人の上に立ちたい親分肌。

    一方、牡牛座は、大地にしっかり足を付け、
    一歩一歩慎重に歩くタイプ。
    どちらかというと融通が利かず、鈍。
    気軽にアバンチュールは楽しめない人。

    とくる。

    だからお互いに惹きあうのか。
    少なくとも、この星占いに言わせれば ”鈍” なあやめにとっては、
    祐はおおらかで男らしくて
    あやめの人生に彗星のごとく現れた太陽のようだった。
                 ( ?  ? )




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