純情少女とエロ女 第一章Aまで 前編

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SNOW CLYSTAL

Author:SNOW CLYSTAL
著者:スノー クリスタル

ずっと書きたいと思っていた
テーマに取り組んでみました。
男って… 女って…
やっぱ、奥が深くて解明でき
ないなぁ…

特に主人公が16〜20才まで
という設定なので、
大人の男女の愛まで掘り下
げるところまでは行かなかっ
たかもしれないけどね、
そんでも体当たりしてみたゾ。

まわりに振り回されながら
変化していく少女の心と体に
ピッタリ寄り添って、読み進
んでね。

ついでにいっしょに恋をしな
がら…。
   


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    〜Aまでとは、男女のおつき合いステップABCの ”Aまで” です〜

    第一章Aまで 前編:11話 読むのにかかる時間:20分くらい



    あやめが祐(ユウ)と出会ったのは、彼の高校の文化祭の折。

    噂だけ聞いてはいたが、
    あやめにとって祐との遭遇は、衝撃的なものだった。
    全身を電流に打たれたようで…。 (|| ゚Д゚)ガガーン!!
    眩しくて目眩がした。

    遠目にも、外国人モデル並のプロポーション。
    公立高校の生徒なのに長めの髪がウエーブして肩にかかっていた。

    ジャズバンドを組み、文化祭の舞台で見るからに ”しろうと” とわか
    るドラムを叩いてはいたが、
    そのルックスが幸いしてか、祐のあたりだけ、プロバンドのポスター
    のように輝いていた。

    あやめの記憶の中には、そこにだけスポットライトが当たっているイ
    メージが、いつまでも鮮やかに残っている。
    だから…あとのメンバーたちがいったいどんな顔をしてどの楽器を
    演奏していたのか、あやめは全く覚えていない。

        (重症だね) ← コレ、時々出てくる作者の横ヤリ

    舞台から、あやめたち女子高生のかたまりを認めて、演奏の合間に
    祐ともうひとりが下りて来た。
    照れくさそうに、ちょっとはにかみながら。


    あやめにとって、祐の記念すべき第一声。 

    「こんにちは! 君があやめさん?」

    適度に低くて、ころがるような甘い声。
    そのひとことで、あやめのハートはますます痺れてしまった。

    近寄ってくるその顔を見れば、瞳は少し垂れ目だがくっきりした二重
    で、微笑みながらなぜかうるんでいる。
    鼻筋が通り、日本人離れした端整なマスク。
    肩までかかるつやつやロング髪。
    すらっとしているのにがっちりした男らしい体形。
    その上、二枚目役の声優になってもおかしくないほどの魅力的な声、
    とくる。

    危ない危ない。
    まだ世間を男を知らない女の子にとっては典型的な、 ”ひと目惚れ
    注意報発令対象” 人物像だ。


    「あやめさんだよね? 噂には聞いていました。」

    そう言って見つめられ、あやめはオロオロ。


    そのあやめは厳しいクリスチャンホームに育ち、私立のクリスチャン
    女子高に通っている。
    だからというわけではないが、引っ込み思案でまじめ一点張りの
    女の子だった。

    こんな時代であるからかえって、そのおとなしく純情そうなところが
    同じ電車に乗る男子学生たち何人かの憧れを集めてもいた。
    その話題が、どうやら祐の耳にも届いたらしい。

    あやめはあやめで、祐に憧れる女子学生たちの噂を時々、小耳に
    挟んでいたのだった。

    ”いい家のひとり息子で、不良っぽくてかっこいいプレイボーイ”

    として。
    (幸いそのルックスなので、”女垂らし” という日本情緒的呼び名は
    マッチしない)

    何度も停学をくらい、山寺での合宿に行かされたりしているという。

    だが、あやめの中には、そんな噂に対する理性や警戒心は入り込む
    隙もなく、心臓の鼓動は高まり、顔からは火が噴きそうだ。

    「あやめといっしょに行けば、もてるかもしれないから…」

    と、あやめをこの文化祭に誘った同級生と先輩たちが、近くのちらし
    を手に取り、紅潮したあやめの顔をパタパタと扇ぐ。

    あやめにとったらそこが一番、まだ見ぬ祐への興味を引かれた点
    だったのだが、

    ”不良っぽさ” とは、親や先生や体制に反抗してるということであり、
    =主張する自分をちゃんと持っている、と映るのだった。


    ”人は自分にないものを持っている人に惹かれる” というが、
    型にハマり周囲を気にして生きているあやめにとっては、祐のその
    "不良的要素” こそ新鮮で、大胆で、羨ましく、
    自分では対処法もわからぬほど胸をときめかされる初めての異性と
    なってしまった。


    ”女は、いけないとわかっていても悪い男とダメ男に惹かれる”
    という俗説がある。

    さてさて、祐はそのどちらかなのか、
    それとも両方なのか…

    ”天は二物を与えず” ともいう。
    これだけ女性のハートを捉える要素の揃った男の中身は、
    どうであろうか。

    はたして、”純情少女サンプル” あやめの今後はいかに…

    遊び人の餌食になってしまうのか…







    テーマ : 自作恋愛連載小説 - ジャンル : 小説・文学

    数日後、どこでどうやって調べたのか、祐から電話がかかってきた。

    「あやめさん? 今度、家に遊びに行っていい?」

    「えーっ!! と、とんでもない! 家の人に殺されます!」

    祐のことだ。
    家族がいようといまいと、涼しい顔して堂々と訪ねて来そうである。
    その上、母親までがぽーっとしてしまうかもしれないくらいだから、
    事がややこしい。

    「じゃあ、喫茶店でお茶でも…」

    「お茶って…。 男の人と喫茶店とかに入るの、禁止されてるし…」

    「じゃあ、どこならいいの?」

    「えーと…」

    「日曜日は何してるの?」

    「午前中は教会に行きます。」

    「わかった。なら、俺も教会に行くわ。 緑ヶ丘んとこだろ?
    じゃ、日曜日にね!」

           …ガチャン…


    −えーっ! 教会に来るの?私に会いに??
      その上、ナンパ目的で来るなんて前代未聞…

    何も悪いことはしていないのに、罪悪感で心臓が飛び出しそう。

      でも、何だろう… このときめき…
      こんな強引な男性、今まで見たことも会ったこともない。


    あやめの知っている男の子たちといえば、教会で会う堅物やもやし系、
    または、たまたま遊びに行った時に見かける、(変に礼儀正しい)友だ
    ちのお兄さんくらいのものだった。

    あやめを恋愛の対象と見て、気軽に近づく人はいなかった。


    −あの人からの電話が家電にかかってきたというだけで、
      家族が聞いてやしないかと心臓が飛び出しそうなのに、
      教会に押しかけるわけ?
     
      そして、公衆の面前で私に話しかけるの?
      何て? どうしよう…

    気が動転し、自分ではどうにもならない心臓の高鳴りが加わって、
    顔はのぼせて熱いのに、体は冷や汗でびっしょり。

        (たーったそれだけのことでー?!)

    −どうしよう…  どうしよう…!!

    教会で彼と会った場面を想像すると息も絶えだえ…という感じになっ
    て来た。


    この時あやめは初めて知った。
    自分の中に、自分ではどうにも止められない突っ走るような思いが
    生まれることもあるのだということを。

    よく “恋は理屈ではない” とか、“なぜあんな人を好きになるの?”
    とかいう例を聞くが、
    少しわかるような気がした。

    それは自分の中から熱いものが自然に湧きあがってくる感覚で、
    理性ではどうにもコントロールできないものだった。

        ” 『いけない人』 と言われているから、好きになってはい
         けない”

         そう自分に言い聞かせても、
         体が、心が、言うことをきいてくれない。
         そうして女は愚かと思われる恋にも身を堕とすのだ…


    予感がしてしまった。

    −この人の声がそばで聞けるなら、あの瞳で見つめられるなら、
      私は人にどう思われてもいい…
      たとえ教会の人たちの顰蹙を買っても…

      私は、彼がそんな状況の中でも私に会いたくて
      会いに来てくれた、そのことに
      きっときっと舞い上がる…

    そんな自分が、霞の向こうの近い未来空間にぼんやり浮かび上がる。

    −だめ! 私は不良の仲間にはならないからね。
     
      あの人と、まじめにつきあう!
      まず、いいお友だちになるんだ!

    だが、そうでない自分もいる。

    −あんな素敵な男性の腕の中にすっぽり、ギューっと抱きしめられる
      なら、他のことなんかどうでもよくなるかも…

      なあんて…(うっとり)    ( ゚д゚)ハッ!

      私ったら何考えてるの?!
      とんでもない。

    ふと頭をよぎった自分らしからぬ思考あれこれを振り払い、まだバクバ
    クしている心臓をなだめながら大きな深呼吸をして、
    あやめは日常場面に戻ったのだったが。

    表面とはうらはらに、心臓はいつまでも高速操業をキープしているのだ
    った。





    テーマ : 恋愛・出会い - ジャンル : 恋愛

    家庭がクリスチャンホームであったため、
    あやめは子どもの頃から教会の日曜学校に通っていた。

    今も教会と学校のボランティア活動で、知的・身体的障害のある人
    の施設に時々手伝いに行っている。
    手伝いといっても、身の回りの世話をするわけではない。
    友だちになり、彼らが自分で日常生活のいろいろなことをするのを
    見守り励ますのがあやめたちの役目。

    体に障害のある人たちは、あやめたちがいとも簡単にやってのける
    日常の動作、たとえば部屋を横切るのに20分、パジャマのボタンを
    全部かけ終わるのに30分かかったりする。

    そこでは時間がゆっくりと過ぎた。


    それに関して、あやめには忘れられない記憶がある。

    体は大きくて髭さえ生えていても中身は幼い少年だと思っていた
    知的障害のある男性が、ある時突然奇声をあげてあやめに抱きつき、
    押し倒したのだ。

    あやめは恐怖で悲鳴を上げた。

    その力は強く、何の前ぶれも心の準備もなかったせいでおかしな
    倒れ方をしたあやめは、
    危うく彼の下敷きになって骨を折るところだった。

    その表情はいつも見ていたあどけなく恥ずかしがり屋の彼ではなく、
    焦点の合わない目を血走らせた狼のようだったのだ。

    施設のスタッフに取り押さえられ叱られ諭された彼は我に返った
    ように、べそをかきつつ謝ったが、
    それは幼い子供が大人に言われてそうさせられている、という
    感じだった。

    そのことがあってから、あやめは施設に行くのをためらうようになって
    いる。
    たとえどんなに子どものようであっても本能は男性である、
    というそのギャップにどう対応したらよいのか戸惑っている。

    祐に対しても同じような不安がある。

    −女の子を女性をどういう目で見ているのかな…

    物語や映画に出てくるような、美しい恋の対象と見ているだろうか。
    それとも、本能でかたっぱしからナンパしているのだろうか。

    −私は前者であってほしい

    自称情報通の友だち沙織によれば祐は、アルバイト先の女上司、
    行きつけの化粧品店、喫茶店など、行った先行った先でそこの女の
    人と仲良くなり、
    気がつけばホテルへ行く関係になっているという。

    あの風貌と雰囲気だから、きっと女性の方から誘うのだろうが、
    その相手が特定の彼女になるということはないそうだ。

    あやめには、初めて出会った時も、そして悪い噂を聞いたあとも、
    祐は白馬に乗った王子様のイメージのままで。
    ポルノ雑誌や映画の中で、そういういやらしいことをしている大人の
    男性とは、どうしても合致しないのだった。


    あやめは小さい頃、たまたま迷い込んだトラックの運転手さんの仮眠
    室で、その種の雑誌を見つけたことがある。
    成人映画のポスターやちらしを見たこともある。

    あやめ自身そんな時、自分でもわけのわからないような、自分が自分
    でないような、まるで体の中心がうずうずするような不思議な感覚を
    覚えはしたけれど、
    それが何なのかその時は全くわからなかった。

    その頃はまだ、
    赤ちゃんはコウノトリが運んでくるものと信じていたから。

    −でも、でも…
      私の受け入れられる範囲では、白雪姫の王子様のキスも、
      ほっぺか唇への軽いもの。
      むさぼるようなディープキスなんて想像できない。
      幻滅だよー!!

      純情でおしとやかなはずのお姫様も、
      ハッピーエンドのあと、ステキな王子様の前で脚を開いたりして、
      ポルノ雑誌のような、  あんなかっこうをするの…?
      髪を振り乱して、呻き声を上げて、体をよじるの?!

      やだよー! 信じられないよ〜…

      私は、そんなお姫様は絶対ヤダよー!! (*´д`;)…




    テーマ : どうしたらいいの? - ジャンル : 恋愛

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