第三章Cまで 後編:13話 読むのにかかる時間:40分くらい
夜菜子はちょうど性への興味に目覚めた時期のようで。
きっと幼い頃のお医者さんごっこは率先してやった口だろう。
学校は同じだったが家はそれほど近所ではなかったので、そのへん
のことまではあやめにはわからない。
だが、今晩の夜菜子の口調はまるでその続き版をしようと誘っている
ようだ。
あやめは何と答えたらよいかわからなかったが、考えてみれば、
男の人といきなりぶっつけ本番というのも戸惑うかもしれない。
−そうね、よくテレビや映画や雑誌で見る男女のベッドシーン、
おもしろ半分に女同士で模擬練習やってみてもいいかも!
首筋にキスされたりしたら、ホントにあんなふうに 「あっはん…」
て気分になるのか…。
“感じる”って、どういう感じのこと?
夜菜子が言った。
「大輔とはね、ラブラブムードになって、このへんにキスされて、おっぱ
い触られてたの。
そしたらね、すごくいい気持ちになっちゃった。
それで、体の中がムズムズするみたいな感じになって…。
あれ、あやめにも体験させる!」
「ええーっ、いいよぉ。恥ずかしいよぉ」
「いいから、いいから。
そんなこと言うと、私も恥ずかしくなっちゃうよ。役になり切るの!
初めはあやめが女役ね!」
夜菜子はミュージカル研究部の舞台練習の打ち合わせでもしている
かのような調子で。
さっそくあやめのパジャマの上をウエスト部分から捲り上げ、ブラを
上に向かって剥いだ。
あやめの乳房が露にされ、闇に白く浮かびあがる。
豊満とは言えないが、手のひらにすっぽり収まる適度なサイズ、とい
うところか。
それを夜菜子が激しく揉み始めた。
−え? マッサージじゃないんだからぁ… (´ロ`)
事始めからして、あやめはそう思ってしまった。
次に夜菜子はあやめの背中に手をまわし、あやめの喉の下あたり
に貼り付いていたブラをはずす。
あやめはそれに合わせ、背中を少し浮かせて彼女の動作を助けた。
夜菜子はそれからあやめのバストの先を舌で弄び始めた。
ところが力加減が強すぎて、痛いばかり。
「痛いよ」 の言葉に、夜菜子が舌先の力を緩める。
すると、くすぐったさに近い快感があやめの脳の中を走る。
なぜか、乳首と脳が直通で反応し合っているような感覚だった。
それから夜菜子は、初々しいあやめの体の上から下に向かって唇を
這わせたが、さすがに動きはぎこちなく、あやめは彼女の唇が擦れ
て痛そうだと思った。
何がどうあれ、あやめはとうていそれらの行為に酔いしれるなんて
気分ではない。
だいたい、好きな男性とこんな行為をすること自体、想像がつかない。
好きなら、その人の前で裸になるなんてことがどうしてできるのだろう
か。
裸になって恥ずかしいところを見せ合って触り合うなんてこと、とても
考えられない。
やっぱり、“ごっこ” は “ごっこ” だ。
目の前にいる夜菜子が男性とはどうしても思えないし、思えたら恥ず
かしくていられない。
複雑な思いに冷めた気分でいると、夜菜子の手のひらがあやめの
大切な部分に乗せられた。
さすがにそこから先の過程に進むのは指先がためらっているよう。
夜菜子の指は、遠慮がちにあやめのパンティーの中に侵入してきた。
花弁が押し開かれ、夜菜子の人差し指と中指が交互に、ピアノの
鍵盤を叩くように上下に動くが、焦りのためか雑になり、やはり痛みが…。
そこは敏感エリアなのだ。
あやめはがまんできずに、
「もういいよ!」
「ごめん。へただね、あたし…。 じゃ、今度はあやめがやってみて!」
あやめはあまり気が進まなかったが、自分だけやってもらって交代
しないわけにはいかない。
ロールプレイ開始!
夜菜子は薄暗がりの中で目をキラキラさせて横たわっている。
あやめは夜菜子がしたと同じようにした。
ブラをはずし、胸を揉み、乳首を舌で弄んだ。
強く舐めると痛かったので、そっとやってみた。
夜菜子の胸もそれほど豊かではなかったが、とても感度が良さそう
で、あやめの唇がちょっと触れただけでビクっと反応し、
恍惚の表情を浮かべた。
「ねえ、あのね、舐めるだけじゃなくて、キスしてみて!
吸い付いてみて!」
専売特許の甘え声で乞われ、あやめは赤ちゃんのように夜菜子の
乳首をチューチュー吸ってみた。
強くすると痛いとわかっていたので、ふんわり、優しく。
時々舌の先で、触れるか触れないかというくらい微かな接点で舐め
る動作も織り交ぜた。
夜菜子は顔を歪め、「あ〜ん、あ、は〜ん…」 と桃色吐息。
上半身を大きくのけ反らせる。
「いいよー、いい! すっごくいい! お願い!
その唇の感じで、下まで行ってぇ!」
今度はそう切願され、あやめは腰を屈めて夜菜子の胸の下から下腹
部に向かって唇を這わせる。
夜菜子がよけいに声を上げるスポットを探すため、頭を行ったり来た
りさせて。
“まるで、ハーモニカを吹いているみたい” なんて思いながら。
自分がされたように、あやめが夜菜子の体の中心に手のひらを乗せ、
しばらく擦ったあと、パンティーの中に侵入。
うるうる熱くて柔らかい秘密の部分に冷たい指でおっかなびっくり割り
入って、指先をちょっと動かしてみたとたん、
「あは〜ん、ダメ! ダメーっ!… いや〜〜っ!」
夜菜子の手があやめの手を押さえ、その動きを阻止しようとするので、
あやめ的にはびっくり。
本当にいけないのかと思い、手を引っ込めてしまった。
すると夜菜子が、
「嫌っ言っても、ほんとに嫌なわけじゃないんだってば!もう !
あやめはーっ !」
「あ、そーなの?!」
「そういう場面では、”すごくいいからもっと続けて” って意味
でしょがぁ…ふつう…」
そのやりとりですっかりお笑いムードに。
たとえ、「はい! やり直し!」 と言われても、そうスムーズには元の
場面に戻れそうもない。
それに…
さすがにその先に進むのはお互いに恥ずかしさもあり。
下の部分に関してはどうするのか未知の部分が多く、結局、子どもの
それも女同士では、どうしていいのかわからない、という現実もあった。
「じゃ、まあ、このへんにしとくか? おもしろかったね!!」
あっけらかんとした夜菜子の様子に、あやめは自分が子どもなのか
大人なのか、わからなくなってきた。
が、確実に大人の世界(官能の領域、とでも言おうか)を覗き込んだ
ような気はしていた。
とつぜんですが…
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