純情少女とエロ女

プロフィール

Author:SNOW CLYSTAL
著者:スノー クリスタル
    =雪の結晶

雪の結晶は、とっても美しいんだけど肉眼では見えないし、ふたつと同じ形のものはないし、人知れず溶けてなくなってしまうの。
そんなふうでありたいな。

そう、私は黒子です。
黒子は見えなくていいんです。

でも、ちょっとは一部をお見せしてますよ。

楽しんで、そしていっしょに泣き笑いして下さいね!


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プロローグ

”純情少女” と憧れられはするものの、恋に関しても自信のなさと不
器用さを絵に描いたようなあやめ。
遊び心やテクニックがないため、ボーイフレンドができてもすぐに飽き
られる。

反面、なぜかよく一緒にいる夜菜子は、生まれながらの甘えじょうず。
自分の感情に正直に欲するがままの言動に出て、
あやめの恋人も躊躇なくエロじかけで奪う。

あやめはそれでもけなげに
「彼がそのほうが幸せなら、ふたりの友だちの振りを通そう」
と本心を隠し、ふたりとつきあい続ける。

あやめと夜奈子は全く違うゆえに、
同じ対象に対しても正反対といえる行動に出るのであるが、
本当の幸せを掴むのはどちら?

陰か陽か、心か肉体か、忍ぶ愛か情熱か、待つ女か飛び込む女か…

あやめは同じような失敗を繰り返すうち、
自分の中にも ”純情少女とエロ女” が同居すること、
愛される秘訣は ”昼は天使、夜は娼婦” であることに気付き、
両者を使い分ける術を迫られていく。




     テーマ


恋したことがある人は誰でも一度は直面するであろう、
心と体のジレンマ。

両者のバランスをうまく取って、精神面でも肉体面でも開花できる人
もいれば、
その狭間に捕らえられ、あがき、傷付いて、這いずりあがれないでい
る人もいる。

(”プラトニックラブからエロの世界への移行がうまくいくかどうか”
 の問題って言えるかもー…)



その境界線をどう乗り越えていくのか、
そしてその向こうにあるものは…


少女から大人の女への過渡期に、さまざまに織りなされる人間関係
の綾(あや)の中で、翻弄され、自分を見つけていく主人公の恋を通
して、そのテーマに取り組みたい。

だから、エロ描写も、”自然の成り行き” として含まれてまーす。

精神面とエロ面、両方の、主人公の成長を見守ってやって下さい。
両方を満たしてくれる人に会って、幸せになれるのかどうか。





それから、少しでも楽しんでもらえたら、
ランキング投票もお願いしまーす。(〃▽〃)



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よろしくね! ありがとう。








テーマ : 恋愛:エロス:官能小説 - ジャンル : 小説・文学

〜Aまでとは、男女のおつき合いステップABCの ”Aまで” です〜

第一章Aまで 前編:11話 読むのにかかる時間:20分くらい



あやめが祐(ユウ)と出会ったのは、彼の高校の文化祭の折。

噂だけ聞いてはいたが、
あやめにとって祐との遭遇は、衝撃的なものだった。
全身を電流に打たれたようで…。 (|| ゚Д゚)ガガーン!!
眩しくて目眩がした。

遠目にも、外国人モデル並のプロポーション。
公立高校の生徒なのに長めの髪がウエーブして肩にかかっていた。

ジャズバンドを組み、文化祭の舞台で見るからに ”しろうと” とわか
るドラムを叩いてはいたが、
そのルックスが幸いしてか、祐のあたりだけ、プロバンドのポスター
のように輝いていた。

あやめの記憶の中には、そこにだけスポットライトが当たっているイ
メージが、いつまでも鮮やかに残っている。
だから…あとのメンバーたちがいったいどんな顔をしてどの楽器を
演奏していたのか、あやめは全く覚えていない。

    (重症だね) ← コレ、時々出てくる作者の横ヤリ

舞台から、あやめたち女子高生のかたまりを認めて、演奏の合間に
祐ともうひとりが下りて来た。
照れくさそうに、ちょっとはにかみながら。


あやめにとって、祐の記念すべき第一声。 

「こんにちは! 君があやめさん?」

適度に低くて、ころがるような甘い声。
そのひとことで、あやめのハートはますます痺れてしまった。

近寄ってくるその顔を見れば、瞳は少し垂れ目だがくっきりした二重
で、微笑みながらなぜかうるんでいる。
鼻筋が通り、日本人離れした端整なマスク。
肩までかかるつやつやロング髪。
すらっとしているのにがっちりした男らしい体形。
その上、二枚目役の声優になってもおかしくないほどの魅力的な声、
とくる。

危ない危ない。
まだ世間を男を知らない女の子にとっては典型的な、 ”ひと目惚れ
注意報発令対象” 人物像だ。


「あやめさんだよね? 噂には聞いていました。」

そう言って見つめられ、あやめはオロオロ。


そのあやめは厳しいクリスチャンホームに育ち、私立のクリスチャン
女子高に通っている。
だからというわけではないが、引っ込み思案でまじめ一点張りの
女の子だった。

こんな時代であるからかえって、そのおとなしく純情そうなところが
同じ電車に乗る男子学生たち何人かの憧れを集めてもいた。
その話題が、どうやら祐の耳にも届いたらしい。

あやめはあやめで、祐に憧れる女子学生たちの噂を時々、小耳に
挟んでいたのだった。

”いい家のひとり息子で、不良っぽくてかっこいいプレイボーイ”

として。
(幸いそのルックスなので、”女垂らし” という日本情緒的呼び名は
マッチしない)

何度も停学をくらい、山寺での合宿に行かされたりしているという。

だが、あやめの中には、そんな噂に対する理性や警戒心は入り込む
隙もなく、心臓の鼓動は高まり、顔からは火が噴きそうだ。

「あやめといっしょに行けば、もてるかもしれないから…」

と、あやめをこの文化祭に誘った同級生と先輩たちが、近くのちらし
を手に取り、紅潮したあやめの顔をパタパタと扇ぐ。

あやめにとったらそこが一番、まだ見ぬ祐への興味を引かれた点
だったのだが、

”不良っぽさ” とは、親や先生や体制に反抗してるということであり、
=主張する自分をちゃんと持っている、と映るのだった。


”人は自分にないものを持っている人に惹かれる” というが、
型にハマり周囲を気にして生きているあやめにとっては、祐のその
"不良的要素” こそ新鮮で、大胆で、羨ましく、
自分では対処法もわからぬほど胸をときめかされる初めての異性と
なってしまった。


”女は、いけないとわかっていても悪い男とダメ男に惹かれる”
という俗説がある。

さてさて、祐はそのどちらかなのか、
それとも両方なのか…

”天は二物を与えず” ともいう。
これだけ女性のハートを捉える要素の揃った男の中身は、
どうであろうか。

はたして、”純情少女サンプル” あやめの今後はいかに…

遊び人の餌食になってしまうのか…





セーラー服

IMAGE/AYAME




テーマ : 自作恋愛連載小説 - ジャンル : 小説・文学

数日後、どこでどうやって調べたのか、祐から電話がかかってきた。

「あやめさん? 今度、家に遊びに行っていい?」

「えーっ!! と、とんでもない! 家の人に殺されます!」

祐のことだ。
家族がいようといまいと、涼しい顔して堂々と訪ねて来そうである。
その上、母親までがぽーっとしてしまうかもしれないくらいだから、
事がややこしい。

「じゃあ、喫茶店でお茶でも…」

「お茶って…。 男の人と喫茶店とかに入るの、禁止されてるし…」

「じゃあ、どこならいいの?」

「えーと…」

「日曜日は何してるの?」

「午前中は教会に行きます。」

「わかった。なら、俺も教会に行くわ。 緑ヶ丘んとこだろ?
じゃ、日曜日にね!」

       …ガチャン…


−えーっ! 教会に来るの?私に会いに??
  その上、ナンパ目的で来るなんて前代未聞…

何も悪いことはしていないのに、罪悪感で心臓が飛び出しそう。

  でも、何だろう… このときめき…
  こんな強引な男性、今まで見たことも会ったこともない。


あやめの知っている男の子たちといえば、教会で会う堅物やもやし系、
または、たまたま遊びに行った時に見かける、(変に礼儀正しい)友だ
ちのお兄さんくらいのものだった。

あやめを恋愛の対象と見て、気軽に近づく人はいなかった。


−あの人からの電話が家電にかかってきたというだけで、
  家族が聞いてやしないかと心臓が飛び出しそうなのに、
  教会に押しかけるわけ?
 
  そして、公衆の面前で私に話しかけるの?
  何て? どうしよう…

気が動転し、自分ではどうにもならない心臓の高鳴りが加わって、
顔はのぼせて熱いのに、体は冷や汗でびっしょり。

    (たーったそれだけのことでー?!)

−どうしよう…  どうしよう…!!

教会で彼と会った場面を想像すると息も絶えだえ…という感じになっ
て来た。


この時あやめは初めて知った。
自分の中に、自分ではどうにも止められない突っ走るような思いが
生まれることもあるのだということを。

よく “恋は理屈ではない” とか、“なぜあんな人を好きになるの?”
とかいう例を聞くが、
少しわかるような気がした。

それは自分の中から熱いものが自然に湧きあがってくる感覚で、
理性ではどうにもコントロールできないものだった。

    ” 『いけない人』 と言われているから、好きになってはい
     けない”

     そう自分に言い聞かせても、
     体が、心が、言うことをきいてくれない。
     そうして女は愚かと思われる恋にも身を堕とすのだ…


予感がしてしまった。

−この人の声がそばで聞けるなら、あの瞳で見つめられるなら、
  私は人にどう思われてもいい…
  たとえ教会の人たちの顰蹙を買っても…

  私は、彼がそんな状況の中でも私に会いたくて
  会いに来てくれた、そのことに
  きっときっと舞い上がる…

そんな自分が、霞の向こうの近い未来空間にぼんやり浮かび上がる。

−だめ! 私は不良の仲間にはならないからね。
 
  あの人と、まじめにつきあう!
  まず、いいお友だちになるんだ!

だが、そうでない自分もいる。

−あんな素敵な男性の腕の中にすっぽり、ギューっと抱きしめられる
  なら、他のことなんかどうでもよくなるかも…

  なあんて…(うっとり)    ( ゚д゚)ハッ!

  私ったら何考えてるの?!
  とんでもない。

ふと頭をよぎった自分らしからぬ思考あれこれを振り払い、まだバクバ
クしている心臓をなだめながら大きな深呼吸をして、
あやめは日常場面に戻ったのだったが。

表面とはうらはらに、心臓はいつまでも高速操業をキープしているのだ
った。





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